05 / 保護基金
投資者保護基金の1,000万円は、預金保険とは別のしくみ
どちらも1,000万円という数字が出てくるので混ざりやすいのですが、守っている相手も、守られる場面も違います。
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表紙/保護基金/05
そもそも、証券会社は預かった財産を分けて管理している
証券会社は、お客から預かった金銭や有価証券を、自社の財産とは分けて管理する義務を負っています。これを分別管理といいます。
分別管理が正しく行われていれば、証券会社が破綻しても、預けた財産は顧客のものとして戻ってきます。基金の出番はここではありません。
基金が出てくるのは、分別管理が守られていなかったとき
投資者保護基金が補償するのは、分別管理の義務が守られておらず、顧客の財産を返せなくなった場合です。そのとき、一般顧客1人あたり1,000万円を上限として補償されます。
| 預金保険 | 投資者保護基金 | |
|---|---|---|
| 対象 | 銀行等の預金 | 証券会社に預けた金銭・有価証券 |
| 出番 | 金融機関が破綻したとき | 破綻し、かつ分別管理が守られていなかったとき |
| 上限 | 1人1金融機関 1,000万円 | 一般顧客1人 1,000万円 |
金融商品取引法 第79条の20ほか。日本投資者保護基金の公表資料。
対象にならない人・ならないもの
適格機関投資家や国、地方公共団体などは「一般顧客」に当たらないため、補償の対象外です。個人であっても、対象にならない取引があります。
たとえば店頭デリバティブ取引にかかるものなど、基金の補償対象から外れているものがあります。自分の取引が対象かどうかは、取引の種類ごとに違います。
この記事は2つの制度の違いだけを扱います。どちらが安心かという比べ方はしません。守っている場面が違うので、同じ物差しでは比べられないためです。
外国の証券会社は入っていないことがある
投資者保護基金への加入義務があるのは、国内で第一種金融商品取引業を行う会社です。海外の会社に直接口座を持つ場合、日本の基金の対象にはなりません。
口座を開く前に、その会社が基金の会員かどうかは、基金が公表している会員一覧で確かめられます。
補償が実際に支払われるまでの流れ
証券会社が破綻すると、まず預けた財産を返す手続きが始まります。分別管理が守られていれば、そのまま返還されます。返せない部分があると分かったところで、はじめて基金の補償の話になります。
そのため、破綻した日にすぐ1,000万円が振り込まれる、という制度ではありません。どれだけ返せないかが確定するまで、時間がかかります。
預金保険と両方から受け取れるわけではない
2つの制度は、対象にしている財産が違います。銀行に預けた預金は預金保険、証券会社に預けた金銭や有価証券は投資者保護基金です。
同じお金が両方の対象になることはありません。「合わせて2,000万円まで守られる」という読み方は成り立ちません。
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